カジノ周辺の地区では、さまざまな評価や渋滞などの外部性によって、不動産価格にマイナスに作用する場合がある。ただしそういった影響は地域によって異なる。カジノが不動産価格に与える経済的影響については、これまでに多くの研究結果が得られている。
立地条件などが周辺住宅価格にプラスに影響を与える場合もある。例えば、ラスベガスは周辺地区にプラスの影響をもたらす場合がある。例えばこの地域は湿度が低くて住みやすく、ハリケーンや竜巻といった災害の心配が少ない場所である。またレストランやショッピングが充実していることでも人気だ。しかしその他の地域でカジノがプラスに作用することは少なく、住宅価格にマイナスの影響を与えることが多い。社会コストやインフラ上の影響を考慮すると、カジノからはマイナスまたは最小限度の経済効果しか得られないことが分かっている。
カジノが住宅価格に与える影響:
一般的に言って、カジノは住宅価格にマイナスの影響を与える主要因である。しかしインフラ施設やショッピング施設などの商業施設がある場合は、プラスとマイナス両方の影響が考えられる。プラス要因としては、利便性や快適性向上が挙げられる。マイナス要因としては、迷惑行為、交通渋滞、混雑などの悪化が挙げられる。
カジノ運営による影響:
周辺にカジノがあり、遠方からの利用者が多ければ、政府や自治体の収入にプラスの作用をもたらす。しかし唯一の懸念としては、ホテルやレストランの倒産による影響だ。
地方のカジノVS都市のカジノ:
地方では、カジノが経済に利益をもたらすことが多く、逆に、都市ではそのような影響は見られないようだ。カジノが「地方創生」の大きな起爆剤となることが分かるだろう。
カジノ近隣企業:
カジノとの距離は非常に重要である。これは、カジノが近くにあると、事業分裂や利益減少につながる傾向が見られるからだ。
カジノによる雇用の創出:
カジノが雇用機会の増加につながっていることは間違いない。しかし、カジノによる雇用は低賃金であることが多い。更に、カジノには特定の経験を積んだ専門家のための仕事はほとんどない。
社会コストの発生:
カジノ周辺地区には、一定の社会コストが発生する。例えば、交通渋滞、混雑、倒産、犯罪の増加などである。そのような社会コストを考慮に入れると、正確な評価が難しくなるため、こういった要素は費用評価から除外すべきである。社会コストやその他の外部性(マイナスの外部性)を考慮すると、カジノ周辺に集まる経済利益は減少することになる。
住宅価値への明らかな影響:
一般に、カジノは近隣の住宅価格に明らかにマイナスの影響を与えると考えられる。理由は前述の社会的コストや、青少年への悪影響もマイナス要因である。反社会的勢力によるマネーロンダリング(資金洗浄)の場となる可能性もある。カジノがギャンブル依存症を促すことも心配されている。